概要
2026年10月8日(木)・9日(金)、大阪大学吹田キャンパスにおいて、「第4回日越学長会議(The 4th Japan–Vietnam University Presidents’ Conference)」を開催しました。本会議は、大阪大学とハノイ工科大学(HUST)の共同主催、ベトナム教育訓練省(MOET)の協力、文部科学省、日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力機構(JICA)、大阪府、大阪商工会議所及び関西経済連合会の後援のもと開催され、日本側30大学、ベトナム側36大学のほか、両国の政府機関や関係機関から約250名が参加しました。基調講演に引き続いて、分科会での議論を通じて、今後の高度人材育成、国際共同研究推進のための大学間連携や産学官連携の可能性を探り、両国間の連携ネットワークを大きく広げるための観点と施策について議論されました。また、協賛企業によるランチョンセミナーや関係機関による情報提供セッションにより、産学官連携の事例が報告されました。

会議の経緯と目的
本会議は、日越両国の大学間における学術・教育連携の促進を目的として、2009年にハノイで初回が開催され、その後2012年の京都、2015年のダナンで開催されました。コロナ禍等による休止を経た今年、11年ぶりの開催となりました。今回は「日越学術連携の成果と将来への展望」をテーマに、これまでの学術連携の成果を振り返るとともに、将来に向けた高度人材育成、国際共同研究、産学官連携等の方向性について議論しました。

開会式と基調講演
開会式では、熊ノ郷淳総長とハノイ工科大学のレ・アイン・トゥアン学長による開会挨拶に続き、ベトナム教育訓練省のレ・クアン副大臣、ファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使、望月禎文部科学審議官、科学技術振興機構(JST)の橋本和仁理事長から来賓挨拶があり、日越間の学術連携のさらなる強化・拡大や両国の発展に貢献する高度人材育成への期待が寄せられました。
熊ノ郷淳 大阪大学総長 | レ・アイン・トゥアン ハノイ工科大学学長 |
レ・クアン ベトナム教育訓練省副大臣 | ファム・クアン・ヒエウ 駐日ベトナム大使 |
望月禎 文部科学審議官 | 橋本和仁 科学技術振興機構理事長 |
基調講演では、ベトナム教育訓練省高等教育局のグエン・アイン・ズン副局長が国際連携を通じたイノベーション・エコシステムの構築について講演しました。続いて、大阪大学接合科学研究所長兼月面都市開発研究センター長の藤井英俊教授が月面での酸素生成のための新技術や多様な3Dプリンティング技術に関する先端研究を紹介し、日本貿易振興機構(JETRO)ハノイ事務所の小篠春彦所長が高度人材を通じた日越間のパートナーシップについて講演しました。
グエン・アイン・ズン ベトナム教育訓練省高等教育局副局長 |
藤井英俊 大阪大学接合科学研究所長・月面都市開発研究センター長 |
小篠春彦 日本貿易振興機構(JETRO)ハノイ事務所長 |
分科会での議論
初日午後の分科会では、テーマA「University-to-University Collaboration for Global Talent Development and Social Impact Creation」(グローバル人材育成と社会的インパクト創出に向けた大学間連携)及びテーマB「University–Industry–Government Collaboration between Japan and Vietnam to Foster Innovation Ecosystems」(イノベーション・エコシステムの構築に向けた日越産学官連携)の2つのテーマについて議論が行われました。
テーマAでは名古屋大学の杉山直総長とハノイ工科大学のレ・アイン・トゥアン学長が、テーマBでは熊本大学の小川久雄学長とベトナム教育訓練省のグエン・アイン・ズン副局長が、それぞれ共同議長を務めました。
日越連携に関する事例発表では、テーマAで東京大学の林香里理事・副学長とベトナム国家大学ハノイ校工科大学のチュ・ドゥック・チン学長が、テーマBで広島大学の黒木伸一郎教授とホーチミン市経済大学のブイ・クアン・フン学長が、それぞれの取組を紹介しました。その後、参加者はグループに分かれて意見交換を行い、今後の連携の可能性について議論を深めました。

2日目の全体会合では、名古屋大学の周藤芳幸副総長、熊本大学の小川久雄学長、ハノイ工科大学のグエン・フォン・ディエン副学長が、前日の分科会での議論を報告しました。グローバル人材の育成や社会への貢献に向けた大学間連携、イノベーション創出に向けた産学官連携について、各分科会で交わされた意見や今後の課題が参加者全体で共有されました。
ランチョンセミナー、個別面談及び情報提供セッション
初日の昼食時に、協賛企業である東亜工業株式会社及びIHI Infrastructure Asia Co., Ltd.によるランチョンセミナーが開催されました。ベトナムの高度人材の採用や溶接技術の向上に向けた産学連携の取組が紹介され、参加者からも多くの質問が寄せられるなど、活発な意見交換が行われました。
さらに、分科会終了後には、大学等による個別面談や、JETRO、JICA、大阪府による情報提供セッションが実施され、大学間並びに産学官の新たな連携の可能性を探る機会となりました。
まとめ
本会議は、日越両国の大学トップや国際連携担当者が一堂に会し、これまでの多様な連携の成果を共有・確認するとともに、今後の高度人材育成、国際共同研究推進のための大学間連携や産学官連携の可能性を探り、両国間の連携ネットワークを大きく広げる貴重な機会となりました。今回の会議を契機として、日越両国の大学間連携や産学官連携がさらに発展することが期待されます。
国際機構 国際教育交流センター(学生交流推進部門)では、大阪大学の学生の留学体験や国際交流を紹介するブログを開設しました。留学経験のある学生によるブログ記事や学内での国際交流の実施報告を随時更新していく予定です。大阪大学の留学・国際交流に関心のある方は、ぜひご参照ください。
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